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勤務間インターバル制度で離職率低下も!3つのメリットと導入事例


勤務間インターバル制度は、2019年から努力義務化された制度です。次の勤務まで一定の休息時間を設けるルールは従業員の健康やパフォーマンス向上に有効ですが、導入の手間やコストから導入をためらう経営層が多いのも事実です。

そこで、勤務間インターバル制度を取り入れるメリットと既に導入している企業事例を紹介します。

勤務間インターバル制度とは

勤務間インターバル制度とは、勤務終了から次の勤務開始まで、一定の「休息時間」を設ける制度で、2019年4月に施行された「働き方改革関連法」に基づいて定められています。

▼勤務間インターバル制度の仕組み

長時間労働を削減し、ワーク・ライフ・バランスを保ちやすくするための制度で、すでに取り入れている企業は約10〜11時間の勤務間インターバルを設けています。これにより、睡眠や生活時間を確保することができ、従業員のパフォーマンス向上が期待できます。

▼勤務間インターバル制度の導入割合

出典元:「平成31年度 就労条件総合調査」 / 厚生労働省

勤務間インターバル制度は、事業主の努力義務なので必ずしも導入する必要はありませんが、政府は2020年までに「導入企業10%以上」を掲げており、導入企業への助成金制度も用意されています。

※平成31年就労条件総合調査によると、導入企業の大半が10〜11時間のインターバルを設けていますが、勤務間インターバルの休息時間は定められておらず、各企業に委ねられています。

勤務間インターバル制度を導入するメリット

勤務間インターバル制度を導入するメリットは大きく3つあります。

睡眠時間が確保され、従業員の生産性が高まる

1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は40代の男女が最も高く、睡眠時間を1日約5.8時間に制限すると眠気が増し、注意力が低下することが示されています。勤務間インターバル制度を導入し、睡眠時間の確保や私生活を充実させることで、仕事に対する意欲やパフォーマンスが向上し、結果として業績向上に役立ちます。

助成金を活用して新たに設備を導入することも

働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)は、労務管理担当者に対する研修や労務管理用ソフトウェアの導入、外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティングなど10の取り組みから1つ以上実施し、成果目標の達成を目指すことで支給対象となります。取り組みにかかった経費の3/4が助成金として支給されます。

企業イメージアップによる社会的評価の高まり

政府は、勤務間インターバル制度の導入割合を10%以上と掲げていますが、2019年時点で3.7%に留まっています。勤務間インターバル制度は従業員の労働環境を改善し、生産性を高め仕事とプライベートの好循環をもたらすきっかけになります。いち早く導入することで、社会的なアピールになり、働きやすい環境づくりに取り組んでいるとして採用時のプラスにもなります。

勤務間インターバル制度の導入事例

勤務間インターバル制度の導入をためらう要因として、「インターバルを設けると、翌日の業務に支障が出る」「導入の手間やコストがかかる」ことを懸念する声があります。そこで、実際に制度を導入している企業事例をまとめました。制度導入によるデメリットはなく、プラスの効果が出ていることが見えてきました。

株式会社スナップショット

ソフトウェアの開発などを行う株式会社スナップショット(従業員数20名※2018年6月1日)では、繁忙期になると業務が深夜におよんだり時間外労働が増えたりしていました。「健康第一を念頭において仕事に取り組んでほしい」との思いから、通勤時間を含め11時間の間隔を設ける勤務間インターバル制度を導入。

担当者によると、「時間外労働は約30%減少しました。この制度を通して、社員の健康確保、時間意識の改革、自己啓発時間確保などに大きな効果があり、業務効率も向上したと感じます。」と、効果を実感していました。勤務間インターバル制度の導入は、就業規則の改定のみ行い、運用は本人に任せるやり方を取り入れています。出社が遅くなるときも周囲から不満の声はないと言います。

社会福祉法人あいの土山福祉会エーデル土山

特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人あいの土山福祉会エーデル土山(従業員数82名※2018年6月)では、残業時間はほぼゼロですが「19時終業、朝6時始業」という勤務シフトに不満が多くありました。そこで、全従業員を対象に勤務間インターバル制度を実施。

「インターバル時間は12時間、対象は全職員。とはいえ、最も朝が早いシフトが19時終業、翌朝8時半出勤になったので、実際には13時間半のインターバルが確保できるようになりました。その結果、身体を休める時間が増え、体調管理をしやすくなったのは誰もが感じています。また、導入前後と比較して離職率が大幅に減少し、ほぼゼロに。就職希望社が何人も待機している状態です。」
と、勤務間インターバル制度の効果を実感しています。介護職はシフト制の業務ですが、従業員からの不満は特になく、就業規則を変えただけでコストもかからず導入できたといいます。

勤務間インターバル制度は働き方改革の一つです。ただ導入するだけでは制度は形骸化してしまうため、経営層の「従業員を大切にする」「気持ちよく働ける環境作り」に対する意識改革も重要になってきます。

まとめ

勤務間インターバル制度の導入が検討された当初、通勤ラッシュの負荷を軽減する側面もありました。それから数年、新型コロナウイルス感染症流行対策などの外部要因から在宅勤務やテレワーク/リモートワークを本格的に導入する企業が増えています。

出社や出張や在宅などの勤務形態の違いはあっても、長時間労働をはじめとする勤務時間の把握が課題の一つであることに変わりありません。勤務間インターバル制度によって一定の時間を休息時間として設けることは、従業員の健康管理だけでなく、企業としての生産性を高める有効な施策になるでしょう。

《参考資料》
平成31年就労条件総合調査 / 厚生労働省
勤務間インターバル制度 導入事例 / 厚生労働省
勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会関連資料